安藝動物病院

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2017.3.1 過去ブログ 【タマネギ中毒について 3月ですね】

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  • 2017.3.1 過去ブログ 【タマネギ中毒について 3月ですね】

こんにちは。

高崎市 安藝動物病院 村端です。

 

3月になりました。もうすぐ春がやってきます。

卒業、進学、就職などで新しい環境へ踏み出す方も多くいらっしゃるのでしょうか。

 

私は浪人生活が長かった(2年間)ので、

毎年この時期になると、受験勉強の日々を終え、

獣医大学に上京してくるときの高揚感を思い出します。

 

もう10年以上前のことになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

閑話休題

 

 

 

 

 

 

それでは前回の【チョコレート中毒】に続き

 

 

中毒シリーズ第二弾

【タマネギ中毒】です。

タマネギ中毒

 

 

わんちゃん、ネコちゃんが

タマネギ、ニンニク、ニラ、エゾネギ

(エゾネギはチセイブとも言われるらしい。私にはあまり馴染みがないです)

などのネギ類を食べることによって起こる中毒です。

 

 

これらの植物に含まれる有機硫黄化合物が原因となり、

溶血(血液中の赤血球が破壊されること)を起こします。

 

 

この有機硫黄化合物は調理を行って火を通しても壊れないため、

調理したタマネギ類でも中毒を起こします。

 

 

 

症状は摂食後1日後から数日後に現れます。

 

 

嘔吐、下痢、腹痛、食欲低下、沈鬱がみられ、

症状が進行すると貧血が起こり、黄疸、頻脈、

呼吸促迫、血色素尿(茶色いおしっこ)がみられます。

 

 

重篤化すると死に至ります。

 

 

 

 

解毒剤は無いため、万が一タマネギ類を食べてしまった場合には

すぐに吐かせる処置が必要になります。

 

 

 

場合によっては胃洗浄も必要です。

 

 

中毒症状へ進行してしまった場合は

その症状に合わせた対症療法を行います。

 

 

 

中毒量は

わんちゃんで15-30g/kg

ネコちゃんで5g/kg

と言われています。

 

 

 

中くらいのサイズのタマネギが200gくらいですので、

10kgくらいの中型犬がタマネギを1個食べてしまうと

中毒を起こす計算になります。

 

 

 

 

 

また、注意点として

タマネギに感受性が高い犬種がいることも報告されており、

秋田犬、柴犬、珍島犬は遺伝的に感受性が高いとされていますので

注意が必要です。

 

 

 

また上記の犬種以外にも

感受性の高い子はタマネギを煮込んだスープなどを少量飲むことで

中毒が起こるので注意が必要です。

 

 

ネギの入ったすき焼きの汁を飲んで中毒を起こしたわんちゃんもいます!!

 

 

 

このようにその子によって感受性が違うので万が一食べてしまった

場合には、動物病院を受診することをお勧めします。

 

 

 

 

 

 

今回はタマネギ中毒についてご紹介しました。

 

 

ちょっとした身近な疑問にもブログでお答えできたらと思いますので、

リクエストがありましたらスタッフまでお申し付けください。

 

 

 

 

 

 

 

参考文献

Household Food Items Toxic to Dogs and Cats